サウジアラビア―変わりゆく石油王国 (岩波新書 新赤版 (964))
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カスタマレビュー
初心者にはありがたい包括的な1冊 ( 2008-03-15 )
石油産業に過大に頼っているサウジアラビアという国が抱える問題、どうしてイスラム過激派がこの国から多く出てくるのか、がとてもよく分かる良い本。宗教と政治、そして王族のバランスの危うさ、人口の急激な増加(1970年代には出生率が7.5だったという。2005年でも4.5で、人口の半分以上が 20歳以下)と失業率の増加(高いドロップアウト率と低い識字率にも起因)、宗教に極端に偏った教育(キリスト教やユダヤ教=「啓典の民」と呼ばれ、一般的なイスラムの教えではイスラムに近い特別な位置にある、のみならず同じイスラム教であるシーア派すら異端であると教え、ジハード=聖戦の対象になる)とアメリカ軍(=異教徒)駐留の受け入れ問題、そして衝撃だった9・11(首謀者はもちろん、実行犯19人中15人がサウジアラビア人だった)とその後のアメリカや諸外国との外交問題など、サウジアラビアの抱える問題が一通り取り上げられている。そして、単に現状の批判にとどまらず、現在の動きや今後の考えられる方向性についても触れられているのがとても良い。もちろん、サウジアラビアについて詳しく知っている人にとっては物足りないだろうけれど、私のような初心者にはとてもありがたい包括的な本だった。そして、日頃は当然のものとして享受している沢山の権利は、実は「当然」ではないことを改めて思い知らされた。教育の大切さ、人権について、色々考える良いきっかけになった。
よくできたサウジアラビア紹介書 ( 2007-09-19 )
ごく一般的な日本人にとって、サウジアラビアについて知っているのは地名・人名といった名前と石油というのがせいぜいのところではないだろうか。中東の大国であるこの国の歴史や人々の生活、あるいは政治・経済・教育について、また社会の変革に向けた動きについて、私たちはどれほどのことを知っているだろうか。
そのような日本社会にあって、サウジアラビア在住経験が豊富でアラビア語にも堪能と思しき著者の手になるこの本は、たいへん貴重な内容を持っている。新書という制限にあって書ききれなかったトピックスが膨大なものであることは想像に難くないが、ここに書かれている事項で日本人にとって陳腐なものはほとんどないように見受けられる。
実に読み甲斐のある、貴重な一冊であろう。
もう少し深く ( 2007-03-14 )
本書はサウジアラビアの国内でどのような変化が起こっているのかを説明した本である。
9・11テロ事件のハイジャック犯19人のうち15人がサウジアラビア国籍だった。
一体なぜ親米的な国のサウジアラビアから過激なテロリストが生まれてしまったのか?
そのルーツは1979年のソ連軍によるアフガニスタンへの侵攻にまでさかのぼる。
さらにイラン・イラク戦争や湾岸戦争、その後の軍備増強はサウジアラビアに大きな負担をもたらした。
サウジアラビアが国内や国外でどのような改革を行っているのかを知りたい方にはお勧めです。
しかしサウジアラビアの対外政策の変化に関してはイマイチでした。
それゆえサウジアラビアの外交や対外関係を知りたいと思われている方には不向きだと思います。
新書1冊でサウジの歴史・王政・社会問題を網羅 ( 2006-06-25 )
本文238ページと多すぎも少なすぎもしない分量の内に、抑えるべき事柄が抑えられている。
特に人口・教育問題と国内の民主化運動の経緯と現状についての概観(この先も容易には変わらないよ、って見通しもちゃんとついている)は、今後の同国の流れを把握するのに便利。なぜ国内でテロが起きるのかも解る仕組みになっている。
油価の高騰によって社会変革がどこまで進展するか、是非とも年1回の改訂でフォローして頂きたい。(本書の本文は2005年5月までをカバーしており、アブダッラー現国王即位後の状況については記載されていない。2006年6月現在は、それでもまったく問題ないが。)
素人意見 ( 2006-06-23 )
まったくサウジについて知らない素人が読んだ感想です。非常にわかりやすい内容でした。世界の国々について勉強してみないという軽い気持ちで読んでください。サウジについての見方が変わり、ニュースに注目するようになります。
