地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)
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一ノ瀬泰造 ぼくが愛した人と村
カスタマレビュー
良い意味で裏切られた。一ノ瀬 泰造自身が魅力的。 ( 2006-10-20 )
シリアスなレポかと思っていた。
実際にカンボジアを旅行する際に読んだので、カンボジア人の明るさ、優しさ、いい加減さには何度も頷いた。
そしてそれを上回る一ノ瀬 泰造のタフさ、調子の良さ、お気楽さ。
戦争を撮ることを心から楽しんでおり、本当に不死身なのかな、と思わせる程。
作中にもあるが、母親の文章も見事。
息子を心配しつつ、しかし日本での日々を楽しみを報告する彼女の手紙。
そんな両親に、一ノ瀬が繰り返す、あのセリフにぐっとくる。
悲壮感もなく、説教臭くもなく、過剰な演出もない、秀逸の戦争ルポだと思う。
信念 ( 2006-02-11 )
一之瀬泰造というフリーの戦争カメラマンが
『アンコールワットを撮りたい』という志半ば、
消息不明になり、26歳で命を落とすまでを
本人や家族、友人の手紙や日記で綴られた作品。
凄い作品…ホントその一言に尽きる。
半ば読んでいて
『なんでそこまでできるんだろう』
『なんでそこで前に一歩踏み出せるんだろう』
何度もそう思った…でもそんな一之瀬泰造の
想像も出来ないほどデカく揺ぎ無い信念に体が震えた。
コーヒーにアリが、ラーメンにイモリが。戦争は大変だ。 ( 2005-02-15 )
戦争写真家として生き、26才で死んだ
一ノ瀬泰造の書簡集、「地雷を踏んだらサヨウナラ」。
家族への手紙が主ですし、ほとんどは忙しい戦場からの手紙なので、
決して読みやすくはないですが、彼の息遣いが伝わってくるようです。
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涼しそうなレストランに入ってコーヒーを頼んだ。
砂糖入れにはアリが一面にたかっていた。
困って隣りの兵隊のするのを待っていたら、彼はちゅうちょせず、
アリごと砂糖を入れるとかき混ぜ、
アリが浮いてきたらスプーンですくい出した。なるほど。
次にラーメンが来た。
半分くらい食ったところで、眼まで煮えたイモリの頭が箸にはさまれてきた。
よく見ると、胴体も尾っぽも刻まれて入っている。
すぐ店員を呼んで"どうしてくれるんだヨー!"と大声で文句を言うと、
どうしてそんなに騒ぐんだ? と不思議そうな顔をして、
箸でちょいちょいとつまんではずしてくれた。
先が思いやられるゾー、と思いながら食べ続けた。(p.39)
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また次のシーンは、いかにも戦争の「現場」を伝えてくれます。
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バリケードの手前で見張っていた兵隊が手招きするので、
身をかがめて彼の横へ行き、彼の指さす方向を見ると、
向こうの兵隊が100m先の彼らのバリケード横にセッセ、セッセと塑壕を掘っている。
私は驚いて、「どうして射たないんだ?」と聞くと、
その兵隊、金歯をむき出して、
「無責任こくでネー。
オラーがプッ放しちめーったら、奴らもケーしてくるに決まっちょる。
ホンなら戦争にナッチマウベー、オメー」
とだけ言うとバリケードに背を向け、タバコに火をつけた。(p.42)
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戦争とは何か・・・ ( 2004-12-25 )
一ノ瀬泰造が母や友人に充てた手紙、そして、彼の日記や彼宛に日本から送られた母や友人の手紙等で、この本は構成されている。
戦地からのレポート集みたいな感じに仕上がっている。
過酷な戦地で戦争カメラマンとして成長していく彼の姿が、伝わってくる。当時緊張していたアンコールワット周辺での彼の活動は、勇気のいるものだ。軍に従軍しなければ、『いい写真』は撮れないとし、従軍しながら、弾に当たりながら写真を撮っていく。
彼の写真は、特別である。
戦争カメラマンとして、戦争を撮る一方で、現地に潜り込み、そこで暮らし、友人を作り、家族を作っていく。なので戦争中の友人の結婚式の写真、自分の変わり果てたカンボジアのある地域(彼にとっては「故郷」)を撮っていく。そのような写真に現れた写真の中の個人個人の顔に表情がある。写真には戦争中の人々の喜怒哀楽が見れる。
一ノ瀬は、写真を撮りながら泣いていることもあった。その写真などを見るといかに彼が、現地に入り、共に現地の人々とその矛盾した戦争を見つめてきたのかが伝わってくる。
一ノ瀬の戦争への思いや自分自身に対する思いの変化にも注目して読んで欲しい。想像を絶する戦地での彼の姿。死と隣り合わせの日々。母が泰造に宛てた手紙に、戦争カメラマンとして息子を日本から見つめる親の苦悩、悲しみ、責任が見える。一ノ瀬の母の姿も注目してほしい。
泰三の生き様 ( 2003-11-30 )
私自身カメラマンを目指す人間の一人で泰三の生き方がすごくかっこいいと思う。 自分の追い求めるものをただひたすらに追い続けた。
そのためなら命を懸ける。全速力でかけぬけた泰三の人生、生き様を一人でも多くの人に知ってほしい。
私も泰三のように生きたいと思う。
泰三がアンコールを追い続けたように私も何かを追い続けて生きて行きたい...
