怪獣記
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カスタマレビュー
中身はほぼチープな、学生旅行並の珍道中 ( 2008-02-05 )
トルコ東部ワン湖に未知の水棲動物を追う、
と書くと格調高い探検記のようだが、そうではない。
中身はほぼチープな学生旅行並の珍道中、それに尽きる。
これでもか、というくらい胡散臭い人間たち
(宗教団体だの、右翼だの、民族主義者だの)
がとっかえひっかえ現れ、雇ったガイドたちは勝手に暴走し
捜索の旅はどんどん脱線していく。
真面目に未知の水棲動物のことを読みたい、
という読者には噴飯モノの内容だが
脱線具合があまりにも面白いために
もう許すしかない迷作である。
終始ワクワクしながら時にプッと吹き出す探検記 ( 2008-01-21 )
今回のトピック。トルコ東部の美しい湖に謎の生物がいるらしい。本書で散見される「奇縁」という言葉が象徴しているように、怪獣の存在の有無を解明するための旅の始まりから終わりまで偶然なのか何なのか、「えっ」と呆然とした後おかしみを誘う様々な事象が起こる。きっと筆者の「怪獣」に対する真摯な熱意が静電気のようにあらゆるものを引き込むのだと思う。21世紀でも成立する探検とは未知生物の消息を辿ることではなかろうか。血沸き肉踊り面白いのだから痛快だ。旅の道中やっていることは、けっこう地味である。湖のまわり(琵琶湖の5倍ほど)の村々を巡ってひたすら目撃者の証言を拾っていく。証言者はしごく普通で真面目なのだけれど、読んでいると思わず笑みがこぼれてしまう。この面白さというのは、所ジョージの番組中の企画「ダーツの旅」の「第一村人発見」とかいうのに通じているかも知れない。
読んでよかった。 ( 2007-08-31 )
怪獣「ジャナワール」というUMAを探しにトルコのワン湖という湖に行った著者たちが、現地のトルコ人と一緒にジャナワールの秘密に迫る。果たして彼らは怪獣ジャナワールに出会うことが出来るのか? ……という、言わばベッタベタな内容なのだが、これが、やたらと面白い。
川口探検隊並みに「冗談だろ」と言いたくなるようなことを彼らは大真面目にやっていて、それが何とも言えず懐かしいような心にしみるような気持ちにさせてくれる。行く先々で「ジャナワールを探している」といってはトルコ人に爆笑されつつもめげずにワン湖で調査を始める、著者を含めた3名の日本人スタッフと、何よりも2名のトルコ人スタッフが、ノンフィクションとは思えないほどにキャラが立っていて、読んでいると顔がにこにこしてきてしまうのだ。いつしかこちらも手に汗握って彼らを応援してしまう。トルコ人スタッフの二人はハリウッドのバディ映画ばりのナイスコンビっぷりを披露してくれるし、ひたすらにジャナワールを追い求めようとする著者の姿勢はひたすら真摯で、まるで熱血青春漫画だ。
また、表紙をはじめところどころ挿入されている写真がとても郷愁に満ちていて美しい。とくに水や空の青がものすごく綺麗だった。
UMA云々を置いておいても「読んでよかった」「ああ、旅したいなぁ」と心から思わせてくれる一冊である。
写真もいいね ( 2007-08-30 )
「西南シルクロードは密林に消える」で、はじめてこの著者をしりました。当時は知る人ぞ知るという感じだったのですが、最近はちょこちょこいろんなところで発見します。「怪獣記」のタイトルどおり、UMA探しに奔走する一行のおかしくもきまじめな様子がとってもいいです。そして写真がたくさんはいっているのがうれしい。西南シルクロードもいっしょにゲリラと旅した森清氏の写真は探索行報告というより風景アート的ですが、乾いたトルコの風が吹いてくるかのようです。おすすめ。
今度はトルコのジャノ ( 2007-08-19 )
いろいろな未確認動物・UMAにアタックしておられる高野さん、今度はジャノ(作中ではジャナ)です。とにかく作者の行動力、洞察力、そして客観的にUMAを考察する姿勢に感心するばかり。もちろん作品自体もトルコのワン湖周辺の社会事情も踏まえてかかれており、勉強になるし、なにより面白い。並木伸一郎とか飛鳥昭雄などの超肯定派UMA本しか見ていない方に特にお勧めしたい。誰よりも冷静にかつ大胆にそして説得力があるUMA本を書いているのは高野さんである。
