オスマンvs.ヨーロッパ―〈トルコの脅威〉とは何だったのか (講談社選書メチエ (237))


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オスマンvs.ヨーロッパ―〈トルコの脅威〉とは何だったのか (講談社選書メチエ (237))

オスマンvs.ヨーロッパ―〈トルコの脅威〉とは何だったのか (講談社選書メチエ (237))
新井 政美
講談社
発売日: 2002-04
価格: ¥ 1,680 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

5 アラビアのロレンス ( 2008-04-15 )
映画を見てトルコの歴史はとても長いことを知りました。

5 目からうろこが何度も落ちる本 ( 2008-02-16 )
トルコ旅行に行くので買って読みました。塩野七生さんの本でトルコ史に興味を持ちました。彼女の著作は素晴らしいのですが、親ヨーロッパの立場から書いているので、その辺を補う本を探していて見つけました。従来のヨーロッパ中心史観に修正を迫る本です。欧米語を経由せず、直接トルコ語からトルコを学び研究する人が出てきたことは、うれしいかぎりです。

オスマントルコはコンスタンティノープル陥落後、ヨーロッパ地域に侵入して領土を増やし、一時的ですがローマ法王のいる国イタリアに、海と陸から同時攻撃をしかけておびやかしました。そのため西欧人は必死でトルコの情報を集めたのです。どうしてトルコは強いのか。西欧の人々はその理由を信仰の純粋性に求めます。偶像崇拝を禁じ、一切の妥協を排した厳しいイスラムの信仰。当時のカトリックは偶像崇拝を商品化して売っていたのです。キリスト教でも信仰の純粋化を図り強化しないとトルコに対抗できない、と考える人間が出ても不思議はありません。

こうしてコンスタンティノープル陥落から60年後、ルターの宗教改革が始まります。宗教改革の原因は複雑ですが、その遠因のひとつにトルコの存在があったことは疑う余地がありません。当時のトルコ皇帝はスレイマン大帝で、その治世にオスマン帝国は最盛期を迎えるほど強力だったのです。

近代以降、キリスト教国が世界を支配するようになると、かつてイスラム教徒のトルコ人を恐れ、支配されていたことが悔しくてたまらないから、トルコの悪口を誇張して広めた形跡があります。日本人はあまり自覚していませんが、これは日本が置かれた立場と酷似しています。東南アジア植民地の支配者だった英・仏・蘭・豪・米人から見ると、日本人さえ来なければ欧米植民地は安泰だったのです。それを失う羽目になったものだから悔しくてたまらず、意図的に反日宣伝を広めようとしたのと同じ構造です。この辺りの事情は、オランダの植民地人ルディ・カウスブルックの著書「西欧の植民地喪失と日本」に詳しい。

5 オスマン帝国の西洋史への影響がおもしろい ( 2008-01-31 )
トルコ民族の起源から始まるオスマン帝国の歴史の概観も書かれているが、面白いのは第三章の「近代ヨーロッパの形成とオスマン帝国」だ。今まで勉強して来た西欧の歴史は、東欧の歴史やオスマン帝国との関係と切っても切れない関係にあることが分かる。ブルボン家はハプスブルグ家との対抗のためにオスマン帝国との同盟を結んでいるし、東欧諸国の宗主権争いではオスマン帝国の意向は大きな影響を持っていた。私は EU へのトルコ加盟に違和感を持っていたのだが、背景を理解することが出来た。ヨーロッパ史を眺める新しい視点を本書からもらったと思う。

もう一つ面白かったのが、宗教に対する態度の変化だ。本書は、オスマン帝国は最盛期にはローマ帝国の正当後継者を任じようとしていたと述べている。また、オスマン帝国は住民の宗教には寛容でキリスト教徒も弾圧は受けていない。そもそも、イスラム教にしろキリスト教にしろ、アブラハムの神を奉っているわけで、神は一緒である。世俗権力が安定している時、経済がうまく行っている時には誰も細かいことは言わないのであろう。

ヨーロッパが近世に入り、宗教改革が興ると宗教の違いが政治に大きな影響を落とす。それでも、宗教は結局世俗の権力争いに大衆を引き込む手段として使われているように見える。それは現代でも明らかにそうで、大衆は宗教とか民族とかに熱狂して、最後には高いツケを払っている。大衆と権力者の関係なんてどれだけ立っても変わらんものだ。

5 オスマン朝による平和 ( 2007-11-22 )
現在の不安定化する中東情勢を見るにつけ、この本から浮かび上がる
オスマン朝による平和について思いを馳せざるを得ません。
統合し拡大する「EU」と似たものを、ずっと以前につくってたのですから。

モンゴル帝国にオスマン朝など、従来西洋史観だけでのみ
語られてきた歴史の、視野を広げるかっこうの入門書ではないでしょうか。

4 世界史に対する非常に広い視野を提供してくれる。 ( 2007-06-03 )
本書は四章からなるが、第一章でトルコ系民族を含む遊牧民の西漸の歴史(その中にはフン族やモンゴル族の西征も含む)が語られ、オスマン・トルコはその章の最後数頁でやっと登場する。第二章以降、オスマン帝国の発展とヨーロッパとの関わりが述べられるが、オスマン朝の系図や幾多の地図、絵、そして部分的だがポーランド、ハンガリー王家それにハプスブルク家の系図まで掲載されており、親切にも最後には索引までついていて、文章も平易で読みやすく、文句のつけようがない。オスマン帝国については新書「オスマン帝国 イスラム世界の『柔らかい専制』」という名著があり、本書でもオスマン帝国が何故当時のヨーロッパに対して先進国たりえたかについては同様の指摘がなされている。本書がユニークなのは、オスマン・トルコの通史にとどまらず、バルカン半島を征服してウィーンを2度も包囲するトルコの脅威に対して西ヨーロッパがどのように対応し、何を学びあるいは利用し、そして自らを近代化させて立場を逆転させるようになったかに目を配っている点である。したがって、簡潔ではあるが近代ヨーロッパ成立に至るヨーロッパの歴史(特に、ハプスブルク家とフランスの対立)の概略を学ぶこともできる。上記新書を始め個々のテーマに関してはより掘り下げた本があるが、時間的・空間的にこれだけ広範囲の歴史を扱い、しかも読み応え十分の本は他に思いつかない。ただ、オスマン・トルコが衰退期に入って以降の記述が駆け足になってしまうのが惜しまれる。

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