オスマン帝国500年の平和 (興亡の世界史)


オスマン帝国500年の平和 (興亡の世界史)

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オスマン帝国500年の平和 (興亡の世界史)

オスマン帝国500年の平和 (興亡の世界史)
林 佳世子
講談社
発売日: 2008-10-25
価格: ¥ 2,415 (税込)
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カスタマレビュー

4 オスマン帝国研究の成果 ( 2008-11-09 )
 進歩著しいオスマン帝国研究の現時点の成果を示したもの。「トルコ人だけの国ではない」とは今では高校の世界史教科書程度には記載されているが、本書はさらに「イスラム帝国でさえなかった」と主張する。
 その建国から、ティムール帝国による危機、奇跡的な再建、コンスタンティノープルの征服、三大陸にまたがる大帝国の成立という経緯がよく理解できる。西欧中心史観からの「偏見」はもちろん一つ一つときほぐされ、ムラト、スレイマン、ハイレッティンといった英雄から官人中心の国家へと筆は進む。女性史や異教徒の扱い、文化史もバッチリ収められている。
 きわめて斬新な事実や史観が示されているというわけではないが、現時点の研究成果が得られる。中東やクルド、バルカンの民族主義はみなオスマン帝国の「末裔」に関わるものである。現代のわれわれの問題に取り組むうえで必要な知識を提供してくれる。

5 オスマン体制の終焉まで ( 2008-10-31 )
「何人の国でもない」多民族・多宗教の国であったオスマン帝国を維持した
システム(オスマン体制)が外圧、民族主義、中央集権体制の弛緩によって
終焉していく十九世紀末までを中心として、オスマン帝国史を描いている。
「トルコ人の国」となっていったオスマン帝国が解体するまでの経緯は簡単
に触れられている。

オスマン帝国の誕生から領土拡大、オスマン官人の時代などの政治史、そして
帝国を支えた諸制度(官僚機構、ティマール制、徴税請負制など)に詳しい。
非イスラム教徒や女性など、帝国下の社会を構成していた人々の姿にも一章を割いている。
オスマン帝国とビザンツ・バルカンとの連続面など、帝国を「トルコ人の国」と
考えていると見落としてしまう点が押さえられている。

巻末の参考文献でオスマン帝国通史・全体像を知るために挙げられているのは、
西アジア史〈2〉イラン・トルコ (新版 世界各国史)
世界の歴史 15 (15) (中公文庫 S 22-15)
オスマン帝国―イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)
オスマンvs.ヨーロッパ―〈トルコの脅威〉とは何だったのか (講談社選書メチエ (237))
オスマン帝国の時代 (世界史リブレット)

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