玉ねぎの皮をむきながら


玉ねぎの皮をむきながら

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玉ねぎの皮をむきながら

玉ねぎの皮をむきながら
ギュンター グラス
集英社
発売日: 2008-05-14
価格: ¥ 2,625 (税込)
発送: 通常4~5日以内に発送


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カスタマレビュー

5 韓国の詩人の言葉を思い出しました ( 2008-09-13 )
絶対におすすめの1冊です!!大笑いしながら読めました。
近年でもドイツに対する戦争責任について、欧米メディアを見る限り
オーストリア、ポーランドはまったく許していません。
なぜか日本のメディアでは英仏米が許したことによってチャラになっており
まったく意味がわからないですが、それを考えるとグラス人気もうなずけます。
記憶の忘却と都合の良い記憶の忘却という2種類が存在するということを
理解できます。人間がどれだけ党派的で元仲間だったものを擁護するのか。
それに支えられて人間は擬制のまま生きていけるのか、、笑いとともに感動させられました。

あんたら 都合のいい死者の声しか聞こえないんだね
聖人と呼んでやるよ

「絶対に許されない過去の罪を隠していたとしても 我々の『仲間』であるのならばいまさら彼だけを裁くことはできない」キムチュソン

5 読める人は読んだ方がいい ( 2008-09-07 )
年嵩の友人に「いい本でした。是非、読んでください」と手紙を書いたら、
「相変わらず硬派な本を読んでいるようで何よりです」と返信。
彼は、その昔、「貴女なら読めるでしょう」と『死霊』を勧めてくれました。
読む人間に力はいるけれども、私にとっては、宝石箱のような本でした。
最後まで銃を持つことを拒否した少年の言葉をはじめ、人の真実に触れたときのような新鮮な驚きに満ちていた。
と、同時に、人の記憶のご都合主義(自分を守るための忘却)に、(たまねぎの皮を向くような生理的現象として)涙を流しながら、立ち向かう強さ。
続けて『蟹の横歩き』を読んだのですが、その中の『人の頭の中は闇』という言葉に、深く感じ入りながら、「でも、闇じゃない人も多いんだよなー。きっと」と、すねる気持ちも持ったことでした。

5 作家グラスの修行時代 ( 2008-08-26 )
 現代ドイツを代表するノーベル文学賞作家、ギュンター・グラスの自伝。玉ねぎの皮をむくように、作家は自らの過去を明らかにしていく。本書の中でナチスの親衛隊員だったことを告白し、世界中に衝撃を与えた。
 とはいえ、あの年代でナチスの影響を受けなかった人の方こそ探すのが難しいだろう。17歳のとき、召集令状に従って行った先がSSの戦車隊だった、ということらしい。まだ子供で知らなかったとはいえ、ナチスのような犯罪組織に加担していたことを恥じて、今まで沈黙を守っていたという。
 どうしても「告白」に目が行きがちであるが、『作家グラスの修行時代』としても読み応えがある。「このエピソードは、あの作品のこのシーンに使った」と創作秘話が盛り込まれて興味深い。また、無名の詩人が当時の文壇の大御所に見出され、トントン拍子に有名になっていくところは、本人も書いているが、まさにメルヒェンのようだ。
 随所に挿入された玉ねぎの素描は、画家でもあるグラス本人の手によるもの。最後のほうに行くにつれ、皮がむかれて小さくなっていっているのにも注目。

3 相矛盾する感想。 ( 2008-07-13 )
彼が徴兵されて武装SSに配属されたのは、どうのこうの言う気はない。「劣等民族」のカシューブ人の血を引いていても、武装SSに入隊出来るのは初めて知った。(しかし、彼が配属されたのが戦争末期のフルンツベルク師団ではなくて、例えばノルマンディー戦で虐殺事件を起こしたダス・ライヒ師団やヒトラーユーゲント師団だったら、彼を「擁護」している「進歩的」な面々も困るだろうな。もしシュタージのIMだったら庇うのかしら?)。
気に入らないのは、彼は自分が元武装SS隊員だった事を隠してナチスに対する告発者面していた事。一読すれば明らかなように彼は第三帝国当時では平凡なヒトラーやドイツ軍の崇拝者だったわけだから。それを素直に告白した上で文学活動をすれば文句はないが。文章も散漫だし。まだ何か隠しているんじゃないか、と思う位。

4 ショッキングな告白に惹かれたが、さすが文学 ( 2008-06-22 )
ダラスという知名のあるノーベル賞作家がナチスの親衛隊だったという告白本を出したことが海外で話題になっているというニュースを聞いて大変興味を持っていました。
ヨーロッパ社会において、親衛隊だったということは本当に誰にもいえない闇の秘密であり、
自分から告白することがどれだけ重いことか・・・・という事があまり理解できないでいました。日本だったら平気で戦争に狩り出されと武勇伝を誇る年増の男性がたまにいますが、
ヨーロッパ社会においてナチスは・・・・

でも、今まで隠してきた人にとって実は凄い負担で重いものになっている事を改めて感じました。衝撃の告白がバンバン出てくると思って買いましたが
あくまでもノーベル賞作家らしく、とても文学的に、慎重に、情緒豊かな文章で、本当に少しづつの告白が・・・ああ、この作者は本当に苦しんで、苦しみを芸術という文学に変えながら
作者にとって大変な告白をしているのだということが 一行、一行の行間ににじんでいました。

以上良いことばかりを書きましたがあくまでも文学作品であって、衝撃の告白本でないこと
ノーベル賞作家らしい文体で、些細な事を、たとえば一行でまとめられる事実を、一ページ使って表現している点などは,安眠効果は抜群

でも、衝撃事実が好きな私でもたまにはこんな、美しい言葉で書かれた文学に触れることで
ちょっと、心が、洗われました。たまにはこんな硬い作品を読んでみるのもいいかもしれません。

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