メッカ巡礼
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カスタマレビュー
信仰の力を、まざまざと見せ付けられました。 ( 2007-05-15 )
自然科学の発達によって、様々な知識、知見を蓄え、また科学の諸知識に支えられて発達、発展した近代諸産業によって不自由のない生活を享受している現代人には、「神」に縋る、という発想が、とても希薄になっていると思いますが、この写真集に描写されているムスリム達は、その情熱を、失っていないようです。メッカのカアバ神殿に向かって、額ずくまさしく人の海には、圧倒されます。
異教の世界 ( 2006-10-10 )
イスラム教徒という言葉がなによりも理解できる本です。ムスリム(イスラム教徒)以外立ち入り厳禁、写真撮影禁止、信仰証明の検問がある「サウジアラビア」の「メッカ」の写真は稀少です。イスラム教徒でない人間には生では見ることが無い世界。撮影した写真家はこのために改宗しています。世界各地のイスラム教徒がラマダン月にメッカを目指します。100万人収容の礼拝宗教施設に押し寄せる200万人の信徒。それはドーム球場で開かれるコンサート(最大収容人数5.5万人)の36倍以上の人員です。それが1カ所に集まり、一斉に礼拝するのです。写真で見るだけでも壮観で脅威的です。彼らの人生においての「信仰」の位置づけの高さ、強さが伺える一冊です。同時代を生きているとは思えない信仰心の厚いイスラムの異世界が垣間見れます。
神殿と巡礼が表している象徴的意味をくまなく説明した資料 ( 2004-12-17 )
大型写真集「メッカ巡礼」と岩波新書「メッカ-聖地の素顔-」ともに拝見しましたが、予期とは逆に写真は「メッカ-聖地の素顔-」の方が美しく、文章の方は「メッカ巡礼」の方が充実していました。
「メッカ巡礼」に収められている写真の半分以上はメッカ-聖地の素顔-」にもカラーで収められており、印刷も遜色なく、サイズが小さい分かえって精緻です。新たに追加された写真にもよいものが多かった。文章は撮影者によるもので、撮影の経緯や聖地で目にした巡礼者たちの生々しい印象やジャーナリスティックな視点が語られています。
「メッカ巡礼」の方は、金色の飾り文字のクルアーンの章句を装丁に取り入れたりした記念的美本をめざしたもので、サイイド・ホセイン・ナスル氏の解説文(小杉泰訳)により神殿と巡礼が表している象徴的意味がくまなく説明された素晴らしい資料です。
例えば、「アラファトとはアラファの野という意味で、楽園を追放されたアダムが旅の果てにイヴと再会した地である、アダムはそのそば(メッカ)に神殿を建てた。それをおよそ一千年の後再建したのがイーブラヒーム(アブラハム)であり、さらにムハンマドとはその原初の教えを再興した最後の使徒である、このようにイスラムは人類の原初性と結び付いている」「大洪水の時アダムの遺体が浮かび上がりノアの方舟とともにカアバ神殿の周りを七回回った、巡礼者がカアバ神殿の周りを時計と逆方向に七回まわるのは過去・原初へと戻りながら罪を落としていくことを象徴している」等。
信徒たちの行動の概要は聞き知っているが、その意味が知りたいという方にお読みいただければと思います。高価ですが、読んでから売りに出す手もあります。
その純粋な形での精神性を知りたい読者には「メッカ巡礼」、生の実体を知りたい方には「メッカ-聖地の素顔-」という所ですが、両方ともいいです。特にムスリムになって大巡礼しようという方は両方知っておく方がよいと思います。
宗教の力を感じざる得ない迫力 ( 2003-10-29 )
一言。迫力があります。野町氏がイスラム教に改宗してまで取り上げたものです。これだけの数の人が統一された意思を持って集まっているということが、淡々と綴られています。
これのコンパクト、かつ、経緯を纏めた、岩波新書『カラー版 メッカ―聖地の素顔』もありますが、写真については、是非この写真集版で迫力を見て頂きたいです。
