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カスタマレビュー
戦闘機疑獄篇 ( 2007-11-17 )
二巻ではいわゆる戦闘機疑獄を題材に話が展開していきます。
最近の(少しスケールの小さい)疑獄をみてもわかりますが、時代は変わっても人間の営み(特に欲望絡み)は変わりません。必ず逮捕者や自殺者が出ることをみても、小説が現実のクリシェなのか現実が小説のクリシェなのか、もはや架空と現実の区別もありません。
「華麗なる一族」や「白い巨塔」など、一連の山崎氏の作品が普遍性を持つのもそのあたりに理由があるのでしょう。
著者の凄さ ( 2007-06-02 )
ラッキード案件、スエズ運河封鎖事件、
結構面白かった。
あと、企業の経営戦略とか、組織人事のあり方とかさ、
今言われてることが、すでに何十年前の小説に書かれてるとは。
小説を通してだと結構理解しやすいし。。
改めて、、この著者は凄い。
必読の小説 ( 2006-03-13 )
1巻600ページ超、全4巻の大作である。日航に勤める主人公を中心に日航の闇の部分を描く社会派小説「沈まぬ太陽」でも彼女の取材の緻密さが感じられたが、おそらく「不毛地帯」は「沈まぬ太陽」が世に出るにあたり、その試金石的な役割を果たした小説なのだろう、同様の取材の緻密さが感じられた。この小説では、シベリアに11年間抑留された元日本陸軍参謀の主人公が帰国後商社マンとして第2の人生を歩んでいく姿を描いており、前半はシベリアでの強制労働、後半は砂漠の中での石油開発と2つの不毛地帯を舞台にしている。様々な不幸、困難を経験しながらそれぞれの不毛地帯に不屈の精神で立ち向かっていく主人公に知らず知らずのうちに感情移入してしまい、大作の割にはどんどん読み進めてしまう。お薦めの1冊である。
舞台は東京に・・・ ( 2005-08-25 )
入社した頃は繊維部で電話一つ満足に受けられなかった不器用な壱岐さんも、2巻になると東京の航空機部へ配属になり、重要な仕事を任されます。参謀時代に培った政府要人との人脈を活用して悪代官のような官房長と渡り合い、社内の派閥争い、官憲とのにらみ合い、同業他社との熾烈な商戦を闘っています。
「男は一歩外に出ると7人の敵がいる」という言葉がまさに当てはまるような感じです。
2巻は前半が防衛庁の戦闘機購入にまつわる商戦、後半が業務本部という特殊部隊で会社の体制保持と革新を目指す話です。その闘いぶりもさることながら、激職に身を投じることで家族と距離が出来てしまうという商社マンたちの人生についても考えさせられます。そしてあっと驚くクライマックスが待っています。
悪徳とストラテジー ( 2004-07-17 )
よくもまぁこれほどの緻密な情報を集められたものだ。この作品には、総合商社の二つの側面を、描き出している。一つは、接待と不正、ほとんどギャンブルである相場で利ざやを稼ぐ獰猛な悪徳商売人として他人の褌を食い物にする腐敗した側面。そして同時に、全地球規模での国益までも含めたストラテジーを、その情報力と総合力と取扱高を利用て、行動していく日本の前線部隊としての側面。たぶん、商社マンというのは、壱岐の対象であるライバル鮫島のような悪徳・獰猛な側面と、壱岐のような理想主義でストラテジックな側面を併せ持つ人種なのだろう。確かにぼくの付き合いのある大商社の諸先輩方には、そういった風格と怖さみたいなものが同居している。
この作品の大きな流れとして、戦後「組織力」をバックに強大化しつつある三井・三菱・住友などの旧大財閥の連携に対抗して、野武士集団として財閥を背景に持たない繊維問屋出身の伊藤忠商事(近畿商事)が、財閥に負けない組織力と総合力を発揮する体質に脱皮するための苦悩を描いている。その『総合化』と『重化学工業化』という抽象的な変化を、その中核にいた組織のプロである瀬島隆三元大本営参謀の人生を小説化することであぶりだしている。商社マンというものの生な感触をここまで描き出している文章を僕は知りません。
現在では、その『重化学工業化』の後にバブルとIT革命を経て、豊富な資金力信用力を利用した投資銀行的な側面と、やはり口銭と利ざやで稼ぐ側面が同居しています。ビジネスの世界に今いる自分の日々の状況などとオーバーラップして一気に読んでしまいました。しかし、女性であるにもかかわらず、ここまで男性的な苦悩とビジネスの現場を描ける山崎さんの筆力には、驚嘆させれれます。
