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カスタマレビュー
2人の対照的な女性 ( 2009-01-02 )
「孤高の人」から続く、3部作。 幼い頃からその勝気さで、何もかも1番でやり通して来た淑子が、美佐子と出会って、言葉は少ないながらも内に秘めた強さ、深い人間性に惹かれていく様子に、非常に共感できた。 淑子の目を通して、内気な美佐子の魅力を丹念に描写していて、自分と正反対のタイプということもあり、より心惹かれた。 これまで鎌倉彫には興味がなかったが、彼女が作品づくりに没頭する過程は、非常に引き込まれた。 こういう彼女が作った作品なら、さぞ人を惹き付けるのではないか…素人ながらそう思った。 また勝気な淑子、内気な美佐子、それぞれが彼女達の意思で生涯の伴侶を決めていく過程も、各人の人間性が反映されていて、本当に友人として側にいるかのように、よく分かる。 岩登りの訓練過程、海外遠征の準備、登攀描写だけではない登山の様子まで、全体に素人にも分かりやすく書かれていて、全編を通して夢中で読んだ。 ★は迷ったが、本を読んだ満足感としては5である。 医師になってからの淑子の日々の描写が少ないためか、うっすら美佐子の方に重点が傾いている気がするので、「もっと淑子の物語も!」という意味で4にする。
最高だ。 ( 2008-04-23 )
読みながら久しぶりに胸が熱くなりました。
山のことは何も知らない私でも、手に汗握りながら夢中で読み続けることができました。
駒井・若林パーティはそれぞれ違う性格、人生を歩みながらも、山に憑かれているという
点では一致しています。
「山」という存在が彼女たちにとって何なのか、本書の中でははっきりとは
説明されていません。
ですが、読み続けているうちに私たちは気づく事になります。
「山」とは自分自身のことであり、それと正面から向きあうことは自分の人生とも
正面から向き合うことだということに。
彼女たちはアプローチの仕方こそ違うものの、真摯に山と向き合います。
そこに馴れ合いは存在しません。
峻厳な山と、ストイックな二人の性格がマッチしていて大変感慨深い作品でした。
若林美和子さんは理想でした ( 2007-09-12 )
高校時代読み、確かに仕事では駒井さん=今井通子さんになります。
でも若山美子さんというモデルがいた若林美和子さん、なんと清冽で美しい女神なんだろうと
いまさらながら思います
山が好きな方にお薦めしたい一品です。 ( 2007-02-14 )
山に興味があり、山初心者の私でも、頭の中に情景、人物像がリアルに浮かび上がるほどです。そして、この病んだ時代だからこそ読むべき小説だと理屈抜きに思いました。
2人の女性登山家がマッターホルン北壁登攀に挑む ( 2003-05-16 )
勝気な駒井淑子、無口な若林美佐子、性格の異なる2人の女性の出会い
からマッターホルン北壁への挑戦、そしてその後。。。
臨場感あふれる登山描写はもちろんすばらしいが、医学生、彫刻家としての
2人の生活、心の葛藤などの描写が作品に厚みを与えている。
作者はあくまで虚構の世界とことわっているが、実在する今井通子さん、
若山美子さんをモデルにしていることもリアルさの一因か。
今井通子さんの書かれた『私の北壁』と読み比べてみたいが入手できず。
本書が面白かったら、『孤高の人』、『栄光の岩壁』もお勧め。
