コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)


コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

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コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)
塩野 七生
新潮社
発売日: 1991-04
価格: ¥ 460 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

4 歴史を感じさせる ( 2008-10-15 )
単純にその時代に引き込まれる。
全部で3部作あると聞いたので
他の作品も読みたくなった。

5 甘美でスリリング、それでいて歴史の醍醐味が溢れ出る ( 2008-09-24 )
塩野作品の中でも「初期作」というべき物語。
私が高校生のとき“塩野七生”という素晴らしい書き手に出会い、
大学期に「西洋史を専攻しよう」と決意させてくれた、感動作。

よい点その1:「歴史は数々の人間たちの手によって作られていく」という視点。
この作品も、ビザンツとオスマン=トルコ、それぞれの“立場”を生きる人間たち
〜国王、一家臣、聖職者、商人など〜の複数視点から、
コンスタンティノープルの陥落が詳細に見つめられています。
あるSF小説に「真実は複数あるんだろうな」という台詞がでてきますが、
そのとおり“コンスタンティノープルの真実”はひとつではありません。
戦争を引き起こす者の真実、それに加わった王や臣下、
騎士・商人・庶民としての真実が克明に浮かび上がり、
本質的な歴史のダイナミズムが伝わってきます。
 
その2:決して感情的にならず、つねに冷徹かつ、
客観的な文体で描かれているところ。
非常にシリアスで、べたな起承転結や情感を一切廃した著者の文体は、
青年帝王マホメッド2世の姿をより残忍に・美しく際立たせ、
必死の抵抗を試みながらも費えてしまうビザンティン帝国の悲劇を
リアルに映し出しています。

 「甘美でスリリングな歴史絵巻」と裏表紙の解説文が的を得ているとおり、
オトナで知的な雰囲気が存分に溢れたスペクタクル歴史巨編です!

5 マルチ・アングルで観る歴史映画のような素晴しい小説 ( 2007-03-21 )
本作は1453年のコンスタンティノープルの陥落=東ローマ帝国の滅亡という歴史的瞬間に焦点を合わせた小説である。攻撃側の大将オスマン・トルコのスルタン・マホメッド2世と防御側の東ローマ帝国皇帝コンスタンティヌス11世が主要な登場人物になるのは当然として、他に多くの現場証人を登場させている。ヴェネツィア艦隊の司令官、艦隊付きの青年医師、フィレンツェ商人、トルコに味方する(させられる)セルビア軍人、東西教会合同を推進する枢機卿、それよりもギリシャ正教の信仰を守りたいとする修道士と彼の友人のイタリア人であるカトリック教徒、ジェノヴァ居留区の代官といった人たちである。本書はトルコ軍と東ローマ軍・ヴェネツィア軍との戦いをこれらの人の見聞きしたことを通じて克明に描いている。地中海貿易の拠点として、そして諸宗教・諸民族の接点としてのコンスタンティノープルの最後を多角的に描いた構想が素晴しい。一つの国・文明が滅びる瞬間に対して公平に敬意をもって描こうとする作者の態度に敬服する。もちろん、実際の戦闘の様子やその中で繰り広げられる個々人の心理的葛藤の描写も優れている。間違いなく、作者の歴史小説の代表作である。是非本書を一読することを薦める。

4 「…いっそのこと死を選ばれよ」 ( 2007-03-21 )
細かな情景や人物の描写はさすが塩野先生という感じであたかもその時その場にいるかのような印章をあたえてくれました。当時のビサンティンの人々は自らの都を最高の言葉で褒め讃えておりその一つにこのようなものがあります。“我らが都が冠するは正十字を掲げた崇高なる皇帝の名であり双頭の大鷲がおりるに相応しき地にある。その美貌と繁栄はまさに、光のごとし”皆さんにも是非この光の都の落日をこの本で目の前で味わっていただきたいです。

4 中世のロマン豊かな歴史絵巻 ( 2006-11-03 )
作者の「地中海戦記」三部作の第1作。ローマ史研究の第1人者として定評ある作者が、地中海に場を広げ、1千年以上続いたビザンチン帝国(古代東ローマ帝国)の終焉を描いた歴史絵巻。この戦いは十字軍に端を発する領土問題でもあり、キリスト教vsイスラム教の宗教問題でもある。コンスタンティノープルは勿論現在ではイスタンブールと呼ばれているが、何故か日本人にも郷愁を誘う街だ。海峡を挟んで東側はアジア風、西側はヨーロッパ風の魅力的町並みだそうだ。

登場人物は多いが、当時のオスマントルコの若きスルタン・バグダッド二世を中心に描かれている。彼の一言がコンスタンティノープル陥落のキッカケにもなっており、無鉄砲とも思われる彼の性格が結果的に英雄の称号を彼に与えた。この他、作者の専門とも言えるヴェネツィア帝国を初めとするローマの諸国の人々が描かれるが、何と言っても驚かされるのは作者の得意分野とは思えない戦闘場面が巧みに描かれていることだ。

防護側の城壁の様子、戦闘用帆船の描写等、当時の資料を良く調査した後が窺がえる。また、オスマントルコ軍は先兵に捕虜を使うが、その先兵の強さの秘密など興味深い話題も多い。コンスタンティノープルの陥落はキリスト教文明(ヨーロッパ文明)、イスラム文明双方に影響を与えた中世の一大事件であり、それを華麗な歴史絵巻にして見せてくれる快作。

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