レパントの海戦 (新潮文庫)


レパントの海戦 (新潮文庫)

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レパントの海戦 (新潮文庫)

レパントの海戦 (新潮文庫)
塩野 七生
新潮社
発売日: 1991-06
価格: ¥ 460 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

4 地中海の落日 ( 2006-11-05 )
「地中海戦記」三部作の完結編。レパントはギリシャ南部の都市で、この海戦は「コンスタンティノープルの陥落」の120年後に行なわれた。地中海が歴史の中心であり続けた長い時代の悼尾を飾った戦闘であり、ガレー船が海戦の主役を務めた最後の大海戦ともなった。この海戦のキリスト教側の総督はヴェネツィア、ジェノヴァ等の海運国の海将だったが、トルコ側の総督は雇われ海賊だったという話は、陸軍主体のトルコの事情を如実に示していて面白い。

海戦を挟んで、著者の自家薬籠中のヴェネツィアの政治家、市民の姿が精緻に描かれる。この中に、「ドン・キホーテ」の作者セルバンテスも本海戦に参加していた等と言う挿話も入っており興味深い。特に外交交渉によって、講和あるいは戦闘に入る様子が詳細に描かれ、物語に引き込まれる。

そして戦闘シーンである。前2作同様軍船の様子等が精密に描かれており、著者の資料研究ぶりが窺がえる。ただし、戦闘自身は5時間で終ってしまったので、物語に起伏を付けるため前述のような海戦前後の外交の部分を精緻に描写しているのであろう。

海戦の結果はキリスト教側の勝利に終ったが、戦闘の痛手のためヴェネツィア共和国は緩やかに衰退して行き、代って大陸型の近代国家が歴史の主導権を握るようになっていった。(ローマ贔屓の)著者は、落日のヴェネツィア共和国の最後の輝きを本作で描きたかったのだと思う。歴史の転換点となった地中海大海戦を鮮やかに描き上げた秀作。

5 世界史上の転機の海戦をドラマチックに描く ( 2004-03-06 )
 レパントの海戦は、大帝国オスマントルコの衰退、地中海の制海権喪失の転機をつくった世界史上の一大事件だったのですが、その実情は、薄氷の勝利だった...。

 海戦の直前まで仲間割れで味方同士で兵士の殺し合いがあるなどなかなかオスマントルコを迎え撃つ体制が整わないスペイン、ヴェネチアの連合艦隊。若き司令官の熱意による勝利の経過を時間軸を設定してドキュメント風かつドラマチックに描きます。

 最後までなぜか手に汗握ってしまってはらはらしながら読んでいて気付いたら読み終わっていたという感じでした。塩野さんの筆運びで、海戦を真近で見ていて勝利してほっとしたような一船員のような読了感でした。

5 地中海世界の時代が… ( 2003-09-25 )
長く続いた地中海世界、或いは地中海に展開した、ヴェネツィアなどのイタリア諸都市の隆盛の時代は、16世紀半ばに翳りを見せていた。地中海の制覇を目論むオスマン帝国は、西欧連合艦隊と激突する。
文明が交代する時期の歴史絵巻がここに完結する…
『コンスタンティノープルの陥落』、『ロードス島攻防記』と併せて愉しみたい!!

5 海戦 ( 2003-08-26 )
東からローラーのごとく浸透してくるオスマントルコに抗すべく、
ヨーロッパは一つの旗のもとに大同団結し地中海はギリシャ沖で決戦を挑む。
とはいえ、人間の性であろうか危機を前にしても、利害が錯綜して遅々として迎撃態勢は整わない。

あくまで歴史に忠実に、驚嘆するほど細かいデータに基づき躍動感あふれる描写に、

いつの時代も変わらない生々しい人間の姿がリアルさと彩りを与える。

4 おまけ③ー完結 ( 2002-12-03 )
3部作の海戦紀物最後であり、地中海世界とともに、ヴェネチア共和国が歴史から葬られてしまう序曲にもなったレパントの海戦。
なんと塩野氏にしては珍しく、恋愛が絡んでいるのである。だがやはり彼女は戦争や略奪の筆致の方が、似合っている。ちょっと綺麗すぎて違和感を感じてしまった。

しかし、私個人の不勉強であった、イスラム教徒への理解も深まり、とっても勉強になった「ヴェネチア共和国千年紀」とこれら一連の三部作であった。

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