杯(カップ)―緑の海へ (新潮文庫)


杯(カップ)―緑の海へ (新潮文庫)

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杯(カップ)―緑の海へ (新潮文庫)

杯(カップ)―緑の海へ (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社
発売日: 2006-04
価格: ¥ 620 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

5 一気に読んでしまいました ( 2006-06-04 )
ワールドカップと旅、この二つが見事に融和していた。読んでいくにつれ、2002年の記憶と韓国の情景が昨日のことのように思い浮かんでくる。深夜特急の時のように、我々が体験していない風景ですら浮かんでくる氏の文体に引き込まれ、一気に読んでしまった。

4 疲労の名前 ( 2006-06-01 )

 日本と韓国をくりかえし移動しながら、日韓ワールドカップの主要なゲームを観戦する。なんと贅沢な「仕事」だったことだろう。羨ましい。妬ましい。
 沢木耕太郎の文章は「疲労」の影を深く濃くたたえていた。そこに混じっている感情の質も量も私のそれとは比較にもならないだろうが、この疲労感は私自身もたしかに経験したものだ。この一点を確認できたことで、このドキュメンタリーは、ある精神のかたちをめぐる優れた考察の書として、忘れがたいものとなった。
 リアルタイムでTVで見、ビデオで何度も確認しては、鈴木の初ゴール、稲本の勝ち越しゴール、中田のだめ押しゴールの感動をすりきれるくらいに反芻した。しかし、それらはすべて対トルコ戦の終了とともに凍りついたままだ。あの時の熱狂の疲労が、いまでも休火山の地底奥深くでとぐろをまいている。
《決勝トーナメントの初戦で敗れたことは間違いなく残念なこと、悔しいことだった。もしかしたら、私たちが、日本代表とともに、このワールドカップで手に入れることのできた最大のものは、敗北を受け入れるのではなく、敗北を無念なことと受け止める、この思いなのかもしれない。》
 愛国心やナショナリズムといった言葉でくくってしまっては、その実質はとらえることができない。あの体験を名ざす言葉を、すくなくとも私はまだ手に入れていない。あれから4年経った。「臥薪嘗胆」にかわる新しい語彙を見つけることができるだろうか。

4 日韓共催のW杯を総括する内容 ( 2006-05-27 )
本書は、2002年の日韓共催のワールドカップの観戦記でもあり、共同開催であったが故に開催地を転戦する著者の紀行文でもある。
なるべく多くの試合を観戦するために過密なスケジュールをこなしながらも、訪れた街を満喫するためには苦労を惜しまない、その行動力には驚嘆させられる。
サッカーに関してはまったくの素人と前置きしながらも、98年フランス大会から養ってきた眼力は伊達ではなく、ジャーナリストとして試合を冷静に分析している。
終章では、選手の近いところで取材をしていたことを生かし、大会期間中トルシエ監督と代表選手たちの微妙な距離感を捉え、選手達の気持ちの変転とそれが試合に及ぼした影響を説得力のある論説で解き明かしているのは大変興味深い。
さらに、ドイツ大会へ向かう日本代表の展望にも触れ、この大会の試合を細かに省みることで、不完全燃焼に終わった本大会と同じ過ちを犯さないように少し辛辣な批判も展開してる。

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