雨・赤毛 (新潮文庫―モーム短篇集)
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カスタマレビュー
ページ数以上のものが得られました。 ( 2007-11-23 )
モームの作品は「人間の絆」に続いて2作目です。
読めば読むほどモームという作家に興味が沸いてきます。
読了後3編とも、短編なのに物足りなさが全然なかったです。
物足りないどころかページ数以上に感じるもの
があるというのが文豪モームの文章なのでしょうか。
特に「赤毛」は30ページ位しかないのに、「愛」という
不可解な感情をすべて理解してしまったような感覚さえ覚えました。
気の迷い ( 2007-09-17 )
歴史上の傑作の一つに数えられる短編「雨」を収録したモームの短編集です。という評価を確認せずに読んだわけですが、そのシニカルさ、巧妙さ、描写の見事さににやりとさせられました。読んだ後も降り続く雨の音が耳から離れない、そんな感覚におちいりました。まさしく、こんなことになったのはこの雨のせいだ、と言いたくなるような行き場のなさには参ってしまいました。面白い。他二作についても雨のあとの濡れた熱情とそれをひっくり返す結末に魅了されました。月と六ペンスもお薦めですが、モームの小説をこれから読まれる方にはこちらをお薦めします。
すぐそこにある南国 ( 2006-08-17 )
モームの作品の世界は、南国の風を感じ、スコールに頭から濡れ、現地人たちとのポーカーに暮れ・・
と、いつのまにかモームの描く南国世界に、誘われます。
この本も、そんな南国を五感で感じることのできる傑作集です。
なかでも、モームの短編の中では傑作とされている『雨』、収録されています。
しかし、わたしは『赤毛』こそが傑作だと感じました。
『赤毛』も、まさにそのような世界・・。
しかし、最後のどんでん返しが独特な味付けでした。
『赤毛』のラストは、シニカルで、醜く、そしてとことん悲しい。
熱帯の雨 ( 2005-11-13 )
「雨」はモームの代表作ゆえ読んだ人は日本でも多いだろう。一方 舞台のアメリカンサモアに行った事がある日本人は 水産業界以外では皆無に近いと思う。小生は そんな限られた幸運な人の一人である。アメリカンサモアの首都パゴパゴに行ったのは1993年の5月だ。
知られていないが相撲の小錦の故郷がパゴパゴである。この地の人を見ていると小錦だけが格段大きいわけではない。かなりの人が同じような体格である。但し モームの小説にはそんな人は出てこない。旅行者である白人だけだ。
しかし サモアの雨がどういうものかについては モームの手捌きは確かである。本当に人の理性をおかしくするような雨である。熱帯の雨自体がそういうものだ。目の前にそびえるレインメーカー山を見ながら降りこまれる雨には極めて異様なものがあった。小説のような事件が起こるのはうなづけるものがある。
話の筋をこれ以上説明出来ないのは残念である。但し もし皆様がサモアに行く機会があったなら...中々無いとは思うが.....是非本書を携えて欲しい。そんなくらいしか言えないのがもどかしいが。
主人公は 「雨」ですね。
これらが南海もの、と言われるのは・・・ ( 2005-02-15 )
モームの短編のあらすじを明かすのは厳禁。だから、レビューのために必要な限りのキーワード的紹介をすると、
「雨」:サモアの雨季。小止みなく降り続く雨。けたたましいスコール。足止めされた船客。その中での宣教師の奮戦。
「赤毛」:自然の作り出したままの島の自然。それは、調和が取れていてとても美しい。そこでの若者の恋。
「ホノルル」:原始的迷信の不可思議な世界と現実界とのあたかもの交感。
これらが南海もの、と言われるのは、太平洋熱帯の島々が舞台であるというだけでなく、それらの島の自然も登場人物といって良いほどに重要な役割を担っていることも与っていると思われる。それらなくしてモームらしいお膳立ても効果が半減してしまうように思われる。だからそれらを単なる背景として読み飛ばすのではなく、素敵な登場人物であるかのようにしっかり読みとってほしい。それから、願わくば、観光でもバカンスでも良いのでそれらの島のどれかに行ってその自然を堪能したら、それから/もう一度、読んでみることをお薦めしたい。いっそう、リアルに感ずること請け合い。
