ナチス狩り (新潮文庫)
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カスタマレビュー
面白くてためになる ( 2006-06-06 )
この本で初めて知ったことが多く、考えさせられました。
「民族」と「国家」ということについても、肌で感じることができました。
日本の戦後教育を受けてきたわたしには、「えーっ、そういうふうになるんだ・・・」と、驚きもありました。
とはいうものの、しかつめらしい歴史書ではなく、とてもドラマチックで面白い本です。
タイトルと違い、戦争のことから入るので、最初はとっつきにくく感じましたが、すぐに入り込むことができました。
中ほどに登場人物たちの写真があるのですが、そこまで読んできて抱いていたイメージ通りの写真でした。
対象をとらえる著者の取材力と的確な描写力が、証明されたような気がしました。
5★洗練された脚本の様なストーリーテリング ( 2005-04-09 )
シリアスな戦争と民族を描くノンフィクションだ。フォーサイス『オデッサ
ファイル』の様に IQ磨耗しながら読むのかな。身構えページをめくり始めた。
杞憂だった。
3人の主人公が非常にキャラ立っており、スムーズに感情移入できた。
強烈なカリスマを放ちつつも、常に任務に組織に忠実な英雄カルミ。
シオニストとは一線を画す、誇り高きイギリス型激情家ペルツ。
文士肌だったが、生き別れた家族のため立ち上がるピンチュク。
スラスラ読めた。「前線はまだか!生き別れた同胞は?」ドンドン先が気に
なる。同時進行のサイドストーリーなど娯楽的仕掛けにもハマった。
自分ら日本人の立場で想定すると、丁度。
「拉致された愛娘を取り戻すため北朝鮮に乗り込む気分」
想像してみると怒りでマッ赤に、憎悪でマッ黒に、理屈ぬきに感情が塗り潰さ
れ…最期はマッ白な灰に?そこは流石ピューリッツァ候補記者、抜け目なく
読者にカタルシスを用意している。あまりに出来過ぎた話にホント脚色なし?
と疑いたくなるが。巻末の詳細な資料メモが、僕を黙らせた。著者が取材不足
に想像力を埋めたとは思えない。 僕は「命がけのかくれんぼ」をしたことがない。
PS●ナチスねたにハマった人→『ブラジルから来た少年』早川(マッドサイエンスな作り話
●敗者の反論→『20世紀最後の真実』集英社文庫(P139、145だけでも立読む価値あり
個々人の伝記としても歴史書としてもいまひとつ… ( 2005-03-11 )
伝記のみでなく歴史書としてのみでもなく表現しようとしたのでしょうが、いささか消化不良である印象を受けました。
テーマ自体は大変良いものであると思います。
知識を深める意味でも有意義でした。
タイトルが内容とミスマッチであったような…
これが実話なのだと思うと、、 ( 2005-02-23 )
とても読み応えがあります。登場人物は沢山居てそれぞれの人の視点から書かれていますが私が一番感動したのは、ひとりのユダヤ人の少女がこの壮絶な時代にこのように生き延びた事が奇跡だし、実話なので奇跡というより何かに守られている強運を持った人だったのだと思いました。戦場のピアニストを思い出します。父や母と別れても過酷な運命の中決して生きるのを諦めず、勇気をもって行動していくレアの姿に涙が出ます。本当に奇跡の連続で生き延びていき、最後お兄さんと再会できたところは本当に感動です。この手のユダヤ人の生き延びた人の記録を書いた本のなかではとてもリアルに細かく書かれている本だと思います。
ナチスに復讐をしたユダヤ人達とイスラエル建国の物語 ( 2003-12-28 )
★あらすじ
第二次世界大戦末期にユダヤ人部隊が創設されたと言う秘話を綴ったノンフィクション。この部隊に所属する3人のユダヤ人を軸として話しは展開して行く。
ナチスへの復讐心に燃えるユダヤ人部隊は、終戦近いイタリア戦線に送られ、ドイツ軍と激闘する。そして終戦。3人の男達、2人は収まり切らない復讐心からユダヤ人虐殺に手を貸したドイツ人を探し出し、これを秘密裏に処刑し続けた。残る1人は、復讐は無益として二人と袂を別ち、ナチスに襲われた故郷に残した妹を探すのに奔走する。
やがて”ナチス狩り”に燃えた2人も、ある事をきっかけに殺人の無益さに気付き、ナチスの迫害を生き延びたユダヤ人の子供達を”約束の地”パレスチナへ送ることに全てを注ぐことになる。しかしパレスチナへの道に至るまでは様々な困難が待ち構えていた。
★評
題名は「ナチス狩り」だが、あくまでもナチスを狩るのはストーリーのほんの一部である。むしろ、イスラエル建国までの秘話と言った方が本書の主題にあっている。
そのイスラエルという国だが、そこに住むイスラエル人、つまりユダヤ人が、パレスチナ人を追い払い、四方を敵に囲まれながらもイスラエルという国を成り立たせている力や意志の一端を本書は理解させてくれる
エピソード的に扱われているが、ユダヤ人部隊所属の兄とその妹の再会までの話しは面白い。妹のナチスからの逃避行はハラハラドキドキもの。
