神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く


神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く

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神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く
石井 光太
新潮社
発売日: 2007-09
価格: ¥ 1,575 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

3 この読後感は... ( 2008-09-23 )
イスラーム圏各地の底辺社会に潜入した作者が、ノンフィクション
と文学作品の境をギリギリ縫ってまとめあげた力作。地理的にカバー
する領域が極めて広いこと、同時に、人々との接触の度合いが(その
まま受け止めるのであれば)極めて深いことに驚かされる。

これだけの取材を積み重ねた筆者の努力には敬意を表するが、言葉の
問題などもある中で、どこまで本当にやりとりされた内容なのだろう?
その疑問が最後まで脳裏を離れることはない。

短編1話、次々に完結していく物語を読み継いでいくと、この読後感
はなんなんだろう、そう、ひょっとすると、4コマ漫画に似ているの
かもしれない。内容が悲惨なのにも関わらず、読後感があっさりして
いるのはそのせいなのか。

4 アジアを旅すると見えてくる影ではあるが・・・ ( 2008-07-28 )
 旅をしていて、物乞いに小銭を差し出すか差し出さないか? 
 意見の分かれるところだが、障がい者や子どもにあげたその小銭を、元締めが集めていく様が想像できる場合には、私は渡さないようにしている。   が、罪悪感は残り、貧困を目の当たりにして、筆者のように無力感に囚われながら旅を続けるしかないのだと、自分を納得させてきた。
 そのせめてもの罪滅ぼしに、売春屋に売られた子を家に戻したり、職業訓練をしているNGOに寄付をして、自分の罪悪感を昇華させたような気になる事もある。
 筆者もその他の旅人も、同様な感情に共感してくれるのではないか?とも思う。

 教えに則った風習で、女が家に閉じ込められ、異教徒との付き合いや同性愛などが名誉殺人にまで発展せずとも、タブーとされる地域はイスラムだけではない。
 それを正しいとか変えるべきだとするのかは、その地域の人々に判断を委ねるしかないのだ。
 そう納得させようとしてみても、悲しい境遇でしか生きていけない人が多いのは事実であり、少数民族や立場の弱い人を踏みつける社会に暮らす日本人もそれを自覚し、悲しみを減らすためには、一人でも改めようと多くの人が気付き行動するしかない。

3 現地のルールに首を突っ込むべきではない ( 2008-07-12 )
目のつけどころや取材の勇気は称賛に値するが、あくまでも短期間滞在の観光客程度の内容。現地には現地のルールがあり、一時的な上から目線の感情によって、結局彼らの立場をなくしてしまうようなケースが多く、ちょっと腹立たしかった。感情移入や余計な手出しはせず、見たままをそのまま伝えるべき。

5 すさまじい内容 ( 2008-07-07 )
とにかく「すさまじい内容」である。イスラムのセックスという主題を縦糸に、その最下層の人々の罪深い生様を報告するレポートである。文体もいい味を出している。登場する人物を描写する行間からその慟哭が聞こえてくるようで、久々の文豪の登場かもしれないと期待してしまう。願わくば、無理な取材のせいで命を縮めることのないよう、今後この作者にはお願いしたい。

2 やっぱり、衝撃的でしたよ。 ( 2008-03-29 )
 これを安っぽい感傷とか、青臭い正義感とか言って
しまってはいけません。無謀な体当たりでの取材だか
らこそ明らかにできた厳しい現実が、ここには溢れて
います。
 中でも、自分が助かりたいために愛人をタリバンに
売ったオカマの男性が「死にたくない」と泣き叫ぶ姿
や、ダッカで著者の部屋に逃げ込み、「抱っこして」と
すがって咽び泣く浮浪児の少女の姿には、胸を塞が
れる思いがしました。
 読み終わって振り返ると、打つ続く内戦と混乱、そ
して独裁政権の迫害や極貧から脱出するための出
稼ぎなど、歴史の暴風がもたらす激甚な被害が女性、
ジプシーやハーフ、そして子供と立場の弱い者に集
中しているのに気付いて、慄然とします。
 ではどうするか。ここから先が人により分かれると
ころです。絶望して諦観にひたるか、微々たる歩みで
も改善を図る活動に加わるか、それとも他の方法に
拠るのか。それはそれぞれが考えればよいでしょう。
とりあえずは、その選択肢を少しでも増やしていきた
いものです。

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