物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)


物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新..

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物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)

物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)
田沢 耕
中央公論新社
発売日: 2000-12
価格: ¥ 819 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

4 知らないことだらけ ( 2008-11-17 )
日本人にとって、スペインという国にはあまり馴染みはないであろう。
フラメンコ、闘牛、サッカー、サグラダファミリア…少なくとも私はこのくらいのイメージしかない。

そんなスペインの中のさらに一地域カタルーニャの歴史の本である。
高校で世界史を選択していた私でさえカスティリヤと連合王国になるまでの歴史は、ほとんど初めて聞く単語ばかりであった。
しかし、この本はとてもわかりやすい語り口で書かれており、全くの予備知識なしのところから、現代までのカタルーニャの歴史をすんなり吸収することができた。

新書の上カタルーニャの通史を書くのだから仕方がないといえば仕方がないが、少し物足りない気もした。
しかし、カタルーニャに興味を持つには良いきっかけとなるだろう。

カタルーニャの入門書として是非おすすめしたい。

4 歴史が持つ物語としての面白さを存分に味わうことができた一冊 ( 2007-08-04 )

 題名どおり、スペインの地中海側に位置するカタルーニャの歴史を、イスラムの侵略を受けた8世紀から、フランコ独裁政権の終焉を迎える20世紀中葉に至るまで、ざっと概観できる良書です。

 新書サイズですから10世紀以上に渡る歴史ドラマの数々を多少は駆け足ぎみに眺めることにはなりますが、一方、ハードカバーで大判の歴史書とは異なり、平易で簡明な文章で綴った本書は歴史のドラマの面白さを実に感じさせる一冊に仕上がっています。

 歴史を彩った王たちが、国家安定のため政略結婚を繰り返す様は、彼ら王族が愛情のない婚姻関係を強いられる哀しさを浮かび上がらせる気がします。もちろん権力の拡大に躍起になるばかりで民草を顧みない君主もいなくはありませんが。

 カタルーニャはカステリャーノのような王=国家という政治スタンスをとらず、伝統的に王は民との協約によって統治を任されているに過ぎないという見地に立っている点が幾度か強調されます。同じイベリア半島でいまや統一国家となっている二つの地域の性格の違いが大変興味深く感じられました。

 同じ著者には、20世紀の共和制時代から内戦を経てフランコ独裁時代の明暗を分かりやすく詳述した書を期待したくなりました。カタルーニャが専門ということですが、なおのことスペイン内戦前後の時代をカタルーニャの視点から描いた書はきっと興味深いものになることでしょう。

5 物語と歴史 ( 2007-02-10 )
12世紀から14世紀にかけてのヨーロッパ中世の時代、西部地中海世界を席巻した強大な海洋帝国が存在した。その知られざる地中海帝国の名は、カタルーニャ・アラゴン連合王国。中世、スペイン全土はイスラム勢力の支配下にあった。しかし10世紀以降になると、キリスト教徒が勢力を挽回し、レコンキスタ(国土回復運動)を展開。スペイン東北部のカタルーニャ・アラゴン連合王国もまた、イスラム教徒に対する再征服活動を活発化させていく。さらに王国は西部地中海に進出、シチリアやアテネにまで版図を広げていく。こうしてカタルーニャ・アラゴン連合王国は、地中海世界にその栄光の名を轟かせることになった。本書が描くのは、このカタルーニャ・アラゴン地中海帝国が隆盛を極めた、中世カタルーニャの歴史である。

「征服王」ジャウマ1世。荒くれ者揃いの傭兵部隊アルモガバルスの首領ルジェ・ダ・フロー、すなわち「華のフロー」。偉大な神秘思想家であると同時に、「カタルーニャ語の父」でもあるラモン・リュイ。中世カタルーニャの栄光を彩った彼らさまざまな主役たちを、著者は、歴史小説のような筆致で生き生きと描く。「いざ、マリョルカへ!」「剣よ目覚めよ」「さあ、野郎ども、戦だ!」。本書の魅力の一つは、こうした架空の会話の数々だ。実証的な歴史研究を最低限踏まえながらも、文献史料の「実証性」に束縛されすぎることなく、自由に想像力を働かせる。「学」としての歴史と、「物語」としての歴史。この両者が非常にバランスのとれた形で、本書に詰まっているのだ。だからこそ、読み応えがあって、何度も読み返したくなる。著者が歴史研究者ではなく、カタルーニャ語・文化研究者であるからこそ可能だったのだと思う。日本であまり知られていないカタルーニャ史の入門書として、非常に良質であると思う。

5 はじめてのカタルーニャ ( 2007-02-04 )
みなさんが言うように、おそらく日本で初めての「読みやすい」カタルーニャ史を凝縮したもの。
(というのも、『カタロニアの眼」という古くからのカタルーニャの歴史もあるから)
物語調で、二時間も有れば楽しく読める。中世が中心なのは、現在の「カタルーニャ魂」に直結するものがこの中世に由来するという理由もあるのかもしれない。(民族、文化)
この本を導入として、さらなるカタルーニャの歴史を学ぶ、そんな「キーワード」を探すのに向いている一冊。

まったく、カタルーニャに興味がなくっても、筆者の言葉は読みやすく楽しめるのではないか?

5 楽しく読みました ( 2006-02-17 )
今バルセロナに住んでおり、日々のニュースではほぼ毎日のようにカタルーニャの独立に関連すると思われる法案の改正が流れています。ともするとデモ行進では国旗に火をつけている場面も報道されます。「同じ一つの国なのに、なぜ?」という疑問は、日本人の感覚からするととても理解できるものではありませんでした。数冊の本を日本より取り寄せて読みましたが、この本はとても分かりやすくて楽しく読めたと同時に、この地域の人々の意識の奥底にあるものも少しですが理解できたような気がします。

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