インドネシア―多民族国家という宿命 (中公新書)
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インドネシア駐在3000日
カスタマレビュー
一つの大国の物語 ( 2007-04-22 )
インドネシアの現代史及び現在抱える問題について約4年間の特派員としての経験をベースとした読み応えのあるレポートである。
海外に駐在するジャーナリストは、とかく現地の日本大使館を必要以上に批判的になるものだが、著者はユドヨノ大統領が大統領就任後最初に会談した大使が日本大使であった事実をさりげなく紹介するなど、そのバランスのとれた観察は好感が持たれる。
テロ、民族問題、自然災害、汚職、エネルギー問題(!)を抱えたインドネシアは、これからどこに向かうのだろうか?最近の日本とインドネシアとの関係は、EPAの締結など経済面ばかりが強調されるが、北朝鮮問題の解決など、両国が協力できる国際問題もいくつかあるのではないだろうか。
現代インドネシアを整理する良い ( 2007-02-16 )
筆者は新聞記者としての5年間の特派員期間を中心に、インドネシアの政治面を中心に解説しているが、その5年間はインドネシアが転変した重大な期間に一致している。
章立ては、
第1章 老ジハーディストの独白
第2章 民主化の果実と代償
第3章 30年間の独立戦争(多民族国家の苦悩)
第4章 外交舞台への返り咲き
終章 脱スハルト時代のゆくへ
となっているが、それぞれ、
第一章 インドネシアにおけるイスラム
第二章 民主化
第三章 アチェ
第四章 国際社会との関係
第五章 将来
を内容としており、正にインドネシアを語る上で避けることの出来ない要点をしっかり押さえている。私自身は、実は民間企業の駐在員だが、ともすれば経済面に興味が偏り、政治については疎くなりがちなところ、本書は平易に、ここ数年の動きとそのバックグラウンドを知るに必要な最低限の歴史背景を解説しており、大変有意義でした。
眠れる神鷹(ガルーダ) ( 2007-01-30 )
インドネシアは国というよりひとつの世界だ。かつて中国がそうであったように。昨今この国に関するニュースは、爆弾テロ、地震や津波、鳥インフルエンザ、航空機事故に沈没船の財宝詐欺とろくなものがない。しかし中国やインドだけがアジアなのではない。長年に亘る反共・開発独裁の時代を終え、民主化とグローバル経済の荒海に乗り出した世界第四の大国で世界最大のイスラム教国を忘れて日本のアジア外交は成立たないし、これからの世界は語れない。歴史上唯一国連脱退の経験があるインドネシア。難航する北朝鮮六カ国協議だが、一家族だけとはいえインドネシアを舞台に家族が再会したこともある。スカルノ、スハルト時代の概観を踏まえ、通貨危機以降ハビビ、ワヒド、メガワティ、ユドヨノという4大統領が歴史的に果たしてきた役割をフェアに評価している。勿体無いくらいお手軽に国際ジャーナリストの仕事を追体験できる読み物でもある。
