ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス 1075)


ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブ..

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ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス 1075)

ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス 1075)
小倉 清子
日本放送出版協会
発売日: 2007-01
価格: ¥ 1,218 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

5 よくまとまっている。 ( 2008-07-20 )
「王国を揺るがした60日」の続編のような作品だが、前者より要領よくまとめられており、2006年の民主化運動が生き生きと、かつ、コンパクトにまとめられている。

圧巻はマオイストの本拠地、ロルパの取材紀であろう。マオイストがこの時期になぜ出現したのか、その必然性もよく分かる。筆者はネパールに移り住んで、何度もロルパに足を運んで、ゲリラの当事者、マオイストとの間に太いパイプを築いている。この努力と勇気は賞賛に値する。命がけの作業だからである。

ネパールの内戦は終結し、王政は完全に崩壊したが、ネパールの将来は不透明である。小倉さんにはますます頑張ってもらわなければ・・・。

4 貧困と暴力の中で ( 2008-07-10 )
小倉清子『ネパール王制解体』(NHKブックス、2007年)

貧困と暴力の中で(星4つ)

 1957年に生まれ、1993年からネパールに在住する大学院生・ジャーナリストが、2007年に刊行した本。18世紀後半にシャハ王家により征服・統一されたネパールでは、その後宮廷内の陰謀が続いた。インドの影響下に、第二次大戦後に一時期民主化が図られたものの、国王は1962年のパンチャーヤト制度の制定と、ヒンドゥー教(カースト制度)推奨、中国(反インド)・コミュニスト(反会議派)への接近を通じて、絶対的な権力を獲得した。1990年民主化運動が実を結んだものの、政党政治はうまく機能せず、1996年以来マオイストが警察署・役所などを襲撃し、政敵を暗殺し、民衆を動員するという人民戦争が始まった。マオイストが支配地を拡大する一方、王室ネパール軍はうまく機能しないまま、無実の人間の殺害等を行った。2001年に王宮内で王族の大量殺害事件が生じ、悪名高いギャネンドラ国王が即位すると、2005年までに国王は再び直接統治へ転換したことにより、主要7党の反発を買い、彼らはマオイストと手を組んだ。2006年4月、デモの波に追い詰められた国王は、主権在民と下院の復活を宣言し、マオイストは武装闘争放棄、人民解放軍・人民政府の解消、複数政党制に基づく共和制を主張して、他の政党と共に政権入りした。ただし、マオイスト幹部の方針転換に一般党員はついてゆけておらず、他の政党との調整も難航しており、ネパール社会も未だ問題山積のままである。著者はこうした激動の中に自ら身を置いて5年にわたる取材を行い、特にマオイストの勢力拡大に主眼を置いて、本書を書いている。年表はあるものの、叙述の年代が行ったり来たりしており、やや分かりにくい。また社会背景の分析も不足気味であるが、ネパール情勢の変動をコンパクトに把握するには有用な本。

4 近くて遠い国ネパールを知る事が出来ました。 ( 2007-06-29 )
ネパールが長年乱れ不安定な状況が続いていた理由がこの本で理解出来ました。
日本人はネパールと言うとエレベスト等しか思いつかない方が多いのでは無いでしょうか。
この本は日本人の小倉清子さんが10年以上にもわたり現場で得た話や実体験が記載されています。毛沢東主義のマオイストが最初に襲撃を行った時は狩猟用の旧式な銃以外、警察官が使うライフル一丁と自動性ピストル一丁しか持っていなかったそうです。それが10年後には2万人を超える規模の軍へと発展していきます。まさに「自由を求める人々の心を止めることはどんな支配者にも出来ない事」を証明し238年も続いて封建支配に終止符を打った軌跡が書かれています。同じ日本人の女性が自らの足で経過と状況を追って書き上げた事に私は感激してしまいました。話が少し前後してしまうところがあるのと、カタカナが多くて頭がすこし混乱してしまう点を除けば素晴らしい本だと思います。その点を考慮して星は4つにします。

5 同時代に冷静な歴史的評価を下している名著 ( 2007-06-04 )
筆者はネパールマオイストに数多く取材を重ね、彼らに持つべき共感と、批判的視座を失わずにこの本を著した。そして、どうしてマオイストが生まれ、民衆に(圧倒的には消極的とは言え)支持を広げたかが説明されている。インド・中国・アメリカという大国に翻弄され、利用されてきた歴史。貧困に支配される山の少数民族。王政派からマオイストを除く共産主義者まで、政権に就くと賄賂からテロまで含めて腐敗してきた政治の貧困。機能しない「民主主義」。これらがマオイストを成長させた。センデロ・ルミノソなどのマオイストの世界での評判は最悪だ。だが、ネパールのマオイストは自己否定の契機を持っている。この本は最後のほうにこのことを示している。独善・独裁に帰した今までの共産主義運動とは違う道を辿る可能性をも示唆している。共産主義に関心のある人は要チェックの本だ。

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