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カスタマレビュー
世代論は語りたくないのだが ( 2006-04-04 )
多分、団塊ジュニア世代の人達にとっては
退屈だと思います。
私の父は昭和一桁世代で、軍隊経験は無かったものの
リアルタイムで、第二次大戦を経験した世代。
(ヴォネガットは、それよりも少し、年齢が上である。)
つまり、子供の頃、最も身近な人間が、戦争体験者であるだけで
なく、学校の教師や近所の人達、そして、テレビやラヂオと言う
マスメディアでも、戦時中の体験がある人達が、沢山居た訳です。
ヴォネガットの、作家としての出発点が
戦争と言う原体験にあり、それが最初に、結実したのが、
「スローターハウス5」と考えていいと、思いますが、
リアルな体験、つまり実体験としての戦争と向かい合ったとき、
作家は、どの様に「小説」と言う虚構を構築すれば、良いのかを
示した、一つの成功例が、SH5だとしたら、本作は、
フィクションとして、ぶっ飛んだ様な面白さは、殆ど、
と言うか、「SF作家」による小説にしては、普通すぎて
「しみじみし過ぎ」てしまっていると、感じます。
多分、21歳の頃の私が、本作を読んだとしても、
SH5程の強烈な印象は、受けなかったでしょう。
「結局、戦争文学かよ。」で片付けられてしまうには、
惜しい作品なのですが、第二次大戦と言う「近代戦」だか
「前近代戦」だか分からないような、非常に特殊な
「間の時代の極限的体験」と言うのは、風化されて
いってしまうのならば、人類にとって、「一寸した進歩」
のなるかも知れないので、それでも良いのですが、
2040年代位の時点で、実は「一寸変化しただけ」で
百年前と余り、違いは無かった、と言う未来も
可能性としては、大いに、有り得るでしょうな。
(関係ないですが、私の嫌いな、最近の言葉のひとつが
「ありえねー」と言う奴です。「ありえねー」と言う事こそ、
「ありえねー」。可能性としては、あらゆる事が、起こり得る
からです。)
私には、合わなかった ( 2003-12-31 )
どうも私にとってはピンとこない、退屈な作品で面白さが分からなくて残念だった。残念だったっと思わせる物はあるのだけれど・・・。
本を読むのが移動時間中心で細切れであるせいか、面白みが分からなかったのだろうか、それともスラップスティックに合わないのか・・・。
惹かれて自伝を書きたくなる人も? ( 2001-11-30 )
名著。
ヴォネガットの乾いているようでウェットな部分があり、しかしウェットな部分を涙に繋げさせないテクニックが存分に発揮されている好著。老いぼれた抽象画家の自伝的物語で構成される。
自伝そのものの「表現手法」をウリにする本ではないけれど、話の展開上過去と現在をいったりきたり。ただ単純に時間の流れをいじくって遊ぶ「実験小説」とは異なり、読むのに苦労することもない。
きっと本書に惹かれて「自伝」を書き始めた人も多いに違いない。
