イスタンブールの群狼 (ハヤカワ・ミステリ文庫)


イスタンブールの群狼 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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イスタンブールの群狼 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

イスタンブールの群狼 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジェイソン・グッドウィン
早川書房
発売日: 2008-01-24
価格: ¥ 966 (税込)
発送: 通常24時間以内に発送


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カスタマレビュー

3 エキゾチックなハードボイルド ( 2008-10-19 )
19世紀のトルコを舞台にしたミステリです。推理より行動を重視したストーリーは、本格ではなくハードボイルドのお約束に従って書かれています。
トルコを舞台にしているという異国情緒なエッセンスを除けば、平凡な話に思えます。
続編が書きたいらしく、シリーズキャラクターとなりそうな人物を揃えていきますが、他の作品でも探偵の周りにこんな役割のキャラクターが良くいるなという人ばかりです。(ちなみに本国では続編がすでに刊行済み)
唯一、「フリーランス」の意味に爆笑しましたが、他は都合の良い女性が出てくることも含めて、良くある話です。

4 高校生の歴史副読本にしたいくらい上出来 ( 2008-04-04 )
ミステリとしてはスリラー感覚、でもそういうことよりも、19世紀のオスマントルコという日本人には迷宮のように窺い知れない国情を、眼前に見るがごとく活写している様が素晴らしい。バザールの風景、ヤシムが自炊する時の実際の調理の仕方(これを読むだけで、実際に料理ができそうなほど詳細)、そして後宮(ハレム)、宦官といったどこか淫靡な世界。

19世紀半ばと言ったらもう西欧では共産主義運動が頭角を現し始めるほど近代化していた時代ですよ、それなのにこのトルコといったら、何百年も続いた中世帝国のままだったんですよね(その意味では我が国も同じか)、あらためてその歴史的意味を考えさせられました。

歴史副読本として、高校生くらいの夏休みの宿題で読んでほしいくらい、きっと彼らにとっても興味のわく本だと思います。

3 イスラム世界が舞台のミステリ ( 2008-01-30 )
 アメリカ探偵作家賞受賞作品。
 19世紀、列強にじわじわと侵食されて斜陽のオスマントルコ帝国の首都イスタンブール。大々的な閲兵式を控えた近衛新軍の士官4名が行方不明となり、そのうちの一人が市街の馬小屋で大鍋に入れられた惨殺死体で発見される。事態を重くみた軍司令官は、帝国のどこにでも入り込めるヤシムという宦官に事件の解決を依頼する。。。イスラム世界で、列強に圧力をかけられながらもなお絶大な権力をにぎるスルタン。その身辺、大奥にもせまる影たち。事件の背後で暗躍するらしい、かつての最強軍団イェニチェリたちは、何を狙っているのか。
 ということで、舞台設定も雰囲気も独特で、時宜的にも興味をもてる一冊になるはずの本です。
 はず、というのはどうにも訳文が悪いのか、それとも時制や視点がころころ変わるせいなのか、状況がいまいち散文的にすぎる感じがしてプロットの巧みさが感じられないせいです。ところどころすごく面白いのに全体の印象としては散漫、まとまりきれていない感じがします。そのあたりが非常に残念です。
 主人公のヤシムのキャラクター造詣もけっこう魅力的なだけに、もう少しなんとかならなかったかなと残念です。宦官で料理に長けていて、ふだんは本の山に埋もれて街の一角で没落したポーランド大使や近所の八百屋と親しいコーヒー好き、なかなか見れない設定の主人公だけに、本当に惜しいです。まぁ、アメリカ探偵作家賞受賞作ということなので、この人の他の作品も読む機会は生まれそうですから、その時は、できたら同一主人公で別の話を読んでみたいと思います。

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