不思議の国サウジアラビア―パラドクス・パラダイス (文春新書)
不思議の国サウジアラビア―パラドクス・パラダイス (文春新書)
この商品を買った人はこんな商品も買っています
サウジアラビア―変わりゆく石油王国 (岩波新書 新赤版 (964))
サウジアラビア現代史 (文春新書)
恋するサウジ―アラビア最近生活事情
サウジアラビア 中東の鍵を握る王国 (集英社新書)
アメリカに「NO」と言える国 (文春新書)
カスタマレビュー
サウジに関して初めて読んだ本が本書で幸い ( 2005-02-11 )
サウジアラビアの仕事に関わりだしたので本書を手にした。
無条件で面白い。
まだサウジに入国する機会はないが、こんなに不思議な国なら一度行ってみたい。9.11事件以来サウジの治安が不安視され、周囲には入国を嫌がる人が多いが。
本書は9.11テロ発生前に出版されているので、その後のサウジの国情には言及していない。著者には続編を強く望みたい。
サウジアラビアに関して初めて読んだ本が本書で幸いであったと思う。サウジへの興味を掻き立ててくれたことに感謝する。
不思議の国! ( 2003-12-23 )
産油国、王国、王族がたくさんいる、砂漠、、、断片的に言葉を思い浮かべる事があっても、全体像のまるでつかめなかった国。日本人女性の立場から、サウジアラビアを内部から書いた貴重な記録である。旅行者であるから、あくまでも表層的な記録にとどまっている部分も多いが、なにしろ、こんな記録は始めてなので、目新しくて面白い。
余談になるが、湾岸戦争の時、フランスが神の名を出さなかったという事は初めてしった。厳格に宗教と政治を分けているという事にフランスという国の成熟した民主主義を知ったような気がした。
ハイパー先進国の未来はどこへ ( 2003-08-04 )
読み物として秀逸。よく書けている。単なる紹介本ではない。常識で測れない他所の国を分析したものとしてサウジアラビアに関係ない私にも極めて面白く読める。
王族が2万人!その王族が国民総生産の3分の1を消費する!
国民はみな中流階級の上部!(中流の中は外国人労働者)
そして下層階級はいない。民衆の豊かさや自由を努力で勝ち取ったという西洋型の進歩史観がまったく当てはまらない国。税金も無く、教育も医療も無料、誰もが働かずに消費できる社会。「そこに選挙などが必要だろうか」という筆者の問い掛けは同時にデモクラシーこそ正義という欧米の固定観念も盤石さを失う。
しかしそれは先進国が夢見たユートピアなのだろうか?
「資源と金に恵まれ、アメリカン・スタンダードともいうべき市場原理の勝ち組であり、人々の来世の救済までも保証する絶対的真実を所有するというサウジアラビア。そのたどりつつある道を見ていると、比較文化などという甘い言葉は吹き飛んで、哲学の深淵がゆっくりと口を開けてくる。」(180ページ)
この著者は只者では無い。文句無しの名著である。
サウジアラビアの繁栄と矛盾 ( 2002-06-26 )
副題にある「パラドクス」の言葉通り、著者の見たサウジアラビアは、一日5回の礼拝、家に閉じ込められる女性など、イスラムそのものの生活習慣が守られる一方、見方を変えれば、生活コストが低く、女性は保護されたパラサイト生活をエンジョイしている面もあり、政治活動や組合活動も必要もない、楽園ととることもできるのだそうです。しかし、これがイスラムの理想の社会なのでしょうか?さらに、これは女性問題だけでなく、国家全体にも当てはまるロジックだそうです。サウジアラビアには憲法も選挙もなく、議会もつい最近までなかったそうです。しかし、石油収入を背景に、1980年代からは国の所有者であるサウド王家が国民を丸抱えし、教育、医療は無料、石油、電気、水道代も安い上、国民の多くは高級公務員で、労働の搾取もなく、さらに利権などの不労所得も多い、とのことです。 一般国民は、為政者がどのような人間で、どのような主義主張を持つかというより、自分たちが平和で豊かに暮らすことができるということの方が大事だし、それが守られていれば、政治にも関心はない、というような意見を持っている知り合いが昔いました。著者の見たサウジアラビアが社会全体の縮図であるならば、こういう状況を指しているのではないか、と思いました。
