戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ダルフールの通訳 ジェノサイドの目撃者
子ども兵の戦争
世界の子ども兵―見えない子どもたち
ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白
ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら
カスタマレビュー
少年兵の事実 ( 2008-10-12 )
結構厚い本でしたが、2日で全部読みきることができました。
シエラレオネという国で反乱軍の兵士達が、何の罪もない人達に四肢切断をしたことは、昔新聞のコラムで読んで知っていましたが、この本は「少年兵」「子ども兵士」という存在を理解する上で、とても意義のある本だと思います。
1番強く印象に残ったのは、彼らがどのように兵士となるか、その過程ではなく、少年兵として過ごして、保護された後も残る数々の問題でした。
運よく生き残って保護された後でも、戦闘の中で吸引し続けた麻薬の禁断症状に苦しむ姿、平和で戦争のない日々になかなか慣れないこと、そして受け入れてくれる家族がいないために、保護された後でも孤児になってしまったり、戦場へ戻る子ども達・・・。
この部分を読んだ時、戦争というものは本当に人間の人生を悲しいものにしてしまうということを感じさせられました。
子ども兵士について書かれた本は数多くありますが、この本の魅力は「元・子ども兵士」である著者が、自らの体験を語った自伝であることだと思います。
戦争の悲しみというよりも、悲しみや喜びといった「人間性」を強く感じさせてくれる1冊でした。
通り魔大量殺戮は富める国の病か ( 2008-06-10 )
報道でのアフリカやアジアの内戦というのは知っていても、実際その国で生まれ、巻き込まれ、生き抜いた者の体験は想像を絶するものがある。
きわめて抑制された文章で書かれているし、必要以上に残酷な描写や出来事はおそらくあえて書かれていない。
それでも行間からにじみ出てくるリアルと絶望は、どんな創作からも伝わってこないものだ。
どの場面も強烈だが、あえて印象に残ったものを挙げると、
更正施設に入れられた主人公を含む少年たちが、そこで敵対する反政府ゲリラの少年たちを見つけるや、直ちに殺害しようとするエピソード。(主人公は政府側で戦っていた)
戦争の狂気、なんて言葉で言い表せない感情がそこにある。
これほどの状況から生き残って渡米まですることができた主人公の信じられない幸運に、我がことのように胸が熱くなる。
戦争のない現代日本に住む我々だからこそ、多くの人に読んでほしい一冊。
そして、まったく無関係ではあるが、
彼女がいない、友だちがいない、認められていない、挫折した、
などを理由に罪もない人々を無差別大量に殺害する、現代日本の通り魔殺人に、
なんという豊かさゆえの貧しさか、と慄然とするばかりだ。
脚色も誇張もない現実 ( 2008-04-20 )
文章としては決して洗練されているわけでなく、淡々と書かれているイメージです。だからこそよりリアルな感じがします。
更生施設で、かつて敵対する側の元少年兵とケンカするシーンで、お互いが全く同じように「敵を憎む」ように吹き込まれていたことが印象的でした。
戦争はしたくない ( 2008-03-05 )
アフリカの、シエラレオネという国自体を知らないのだが、その国が内戦状態になり、政府軍と反政府軍に分かれて同じ国民が戦争を始めた。
どうも宗教とか民族の戦いというのではなく、反政府軍が革命を起こそうとしたようなものなのだが、この本の作者は12歳から15歳の3年間を少年兵として政府軍で戦ったという事らしい。
戦うというが、結局は人殺しなのだ。少年兵の間は、薬などで精神を高揚させ、片っ端から相手を殺したようだし、他の人が殺す殺されるシーンを日常茶飯事で体験してきた。
ある時国連のユニセフに援助されるのだが、戦争から離れても精神がぼろぼろになり、眠れないし暴力的な日々が続く。この眠れないのを直すには精神的な落ち着きを取り戻すしかなく、そりリハビリに相当長い期間がかかったらしい。
しかし戦争は本当に人間を狂気にさせるなぁ。極限状態で、自分がやらなければ相手からやられる、殺さなければならない…と考え実際に殺すという事を毎日続けていれば、頭がおかしくなるのも分かる気がする。
自分はこんな事はしたくないし、今後も日本では戦争など起きてほしくない。
たまたまこの作者は、国の代表として国連で内戦の実態をスピーチしたり、結局アメリカに留学して大学で勉強したりして、今は国際人権のNPOの代表になっているというが、いまだに国内は内戦状態らしい。
何か平和ボケとか言いつつ、いまいち自分の事として捉えられない自分がもどかしいが、かといって、知りもしないシエラレオネという国のために何かするか?という素朴な思いもあり、読み終わった後複雑。
大変長編の小説だが、例のフツ族とツチ族の戦いを描いた「ホテル・ルワンダ」のような映画で紹介されて話題になれば国際的にも注目を浴びるのでは?
