少女売買 インドに売られたネパールの少女たち
この商品を買った人はこんな商品も買っています
幼い娼婦だった私へ
中国臓器市場
アジアの子ども買春と日本
闇の子供たち (幻冬舎文庫)
ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス)
カスタマレビュー
貧困国の現実 ( 2008-11-20 )
ネパールでは毎年7000人の少女が誘拐され(あるいは騙されて)、
インドに連れて行かれ、売春を強要させられる。
この問題は50年以上にわたり放置され続け、
被害者はすでに30万人を超えるという。
7歳の女の子も売春させられる。
13歳の少女が、毎日50人〜100人の客を取らされる。
年100人ではない。毎日、だ。
一人を相手する時間は10分もかからない。
本書は、
◆人身売買が日常的に行われしかし取り締まりが進まないネパールの現実を、10年以上にわたり取材し続けているルポと、
◆甘ったれバカOLのような人生を歩んできた著者が、なし崩し的にフリーライターとなり、元々は売れるネタとして取材をはじめたネパールの少女売買に、救出した少女を救うNGOのボランティアとして関わっていくうちに、ボランティアにも本気で取り組むようになる、自分自身の心境の変化を綴った回顧録、
を交互に薦める形で構成されている。
他のレビュアーの評価は、良いか悪いかのまっぷたつに分かれている。
潜入ルポのようなハードな内容を期待していると肩すかしを食らうが、少女売買の現実はあまりにも凄まじく、私は本書が記す現実に圧倒されてしまった。そして強い憤りを覚えた。
しかし一方で、本書に出てくるようなインドの底辺の売春宿に行き、格安で女を買ったとリポートする本もある(著者はもちろん日本人)。私もそういう本をお気楽に読んでいる。
世の中って。
国際協力関係者は知っておくべきことかと ( 2008-10-20 )
第7回新潮ドキュメント賞受賞作品。
この本はすごい。
内容的に、「闇の子供たち」をも超え、もっとも現場に近いところから、どうしょようもない深刻な状況であることを、淡々と語っている。
どうしたら、この救いようのない絶望地獄が改善できるのか、とても考えさせられる内容となっています。
ぜひ読んで欲しい本です。
女性のノンフィクションについて ( 2008-09-06 )
女性の作者ながら懸命に取材をしているのはわかる。
ただ、著者の苦労話や、「こんなに危険ですよ」的なことを書き連ねることには賛同できない。
また、著者は「絶対的に悲劇な売春婦」というステレオタイプをつくって、その枠の中でしか取材をしていない。
最後にちょっとだけ出てきた「裏切ったエイズの売春婦」のことなどを、なぜもっと書かないのかと思う。
結局こうした視点で書き続ける限り、何十冊書いても「こんなにかわいそうなんですよ」という本にしかならない。
作者の勇気は認めるけど、作品としての面白さがないような気がした。これなら新聞記事を長くした印象しかないのだ。
援助現場の一筋縄ではいかない実態 ( 2008-08-30 )
なんとなく図書館で手に取ってみたのだが重すぎる
それは少女を売らざるを得ないネパールの圧倒的な貧困
そしてその少女たちの帰還を拒絶する無知と偏見と因習
インドの売春宿と警察の腐敗した関係。蔓延するHIVと遅れる性病予防
売春婦上がりもいるトラフィッカーと呼ばれる少女の運び屋や売春宿のオーナー
まあ、ここまでは想像のできるし、ああなるほど、と思うのではないだろうか
しかしここから先があまりにも重いのである
少女を売春宿から奪還する活動をしていて暗殺された男性というのは衝撃的
また保護された少女の社会復帰を支援したり、HIV罹患者のホスピスを運営する現地組織があり
著者はその組織と活動するのだが、しかしその現地組織も巨大化することで苦悩が深まる
現物支給で現地組織をコントロールしようとする先進国の組織に対して
資金を獲得するために先進国の支援団体同士の情報遮断を行う現地組織
年頃の少女たちなのでホスピスにずっといるのは苦痛でもあるんだけれども
聡明な少女を職業訓練の末に社会復帰をさせたのが逆目に出て
男に誑かされてトラフィッカーになってしまった事件もあった
このように支援するという大きな目的があったとしてもそこには大きな対立が生まれてしまう
読後の感想というのとは重苦しいのとも怒りとも悲しみとも違って
どこにももってはいけないような曰く形容しがたいものである
また著者は聡明な少女や売春婦から大オーナーに成り上がった金持ちの女性の下りでは
ちゃんとした教育を受けていればきっと有能なキャリアウーマンになって
社会を支える貴重な人材になったであろうと嘆くのであるが
まったくその通りで、それだけは一つの有意義な結論でもあるんだよな
活動は尊敬しますが… ( 2008-04-01 )
実際、著者の活動は生半可な覚悟ではできないことだと思う。時間だけではなく、金銭的に、そして私生活の大部分を犠牲にしてこういった活動を続けていることに、素直に尊敬の気持ちを抱いた。
しかし、私としてはジャーナリズムに徹した本を読みたかったのだ。
もっと深い部分に踏み込んだ本が書けなかったのか。「ライター」としてではなく「ジャーナリスト」として暗部へ喰いこんだ本を、こういった活動に関わり、重い題材をテーマにしているからこそ世の中に送り出す義務があるのではないかと強く感じずにはいられなかった。
繰り返される「信念があって始めた活動ではない」「いい格好をしたい人間なのだ」という言葉は蛇足でしかない。決して安い本ではないのに、そういった言い訳じみたプロフィールでページを費やすことに違和感を感じなかったのだろうか。
ジャーナリストが清廉潔白な人間だとは誰も思っていないし、期待もしていないはず。作品が全てであり、結果として読者にどう思われるかは二次的な問題であるはずだ。「流されるまま活動を続けて…」という著者の言葉に嘘はないのだろうが、度を過ぎた謙遜は高慢の裏返しと受け取られる可能性があることを自覚すべきだろう。
内容については、特に目新しいことはないが丁寧に一人ひとりを追っているところが印象深い。同性であるがゆえに遠慮してしまっている観はあるが、半年に一度の訪問でここまで信頼関係を作れたことに感心した。
